1. HOME
  2. ブログ
  3. 油圧シリンダー修理
  4. 油圧シリンダーについて

BLOG

ブログ

油圧シリンダー修理

油圧シリンダーについて

ビーエスパッキン株式会社修理部、梅田です!
油圧シリンダーって、すごいたくさん種類があるんです。
私は入社して12年ぐらいになるのですが、それでも「こんなシリンダー初めて見た!」ってシリンダーがたくさんあります。
最近は、ホームページからのお問い合わせもたくさんいただいております。ありがとうございます!
オーストラリア製、イタリア製、フランス製シリンダーなどなど、修理も多国籍になっております。

今回は、シリンダーの各部品について解説していきます。自社でメンテナンスされる際などの参考になれば幸いです。

油圧シリンダーの構造について

油圧シリンダーですが、さまざまな形で機械に取り付けられています。多くの場合は下写真のような穴にピンを通して機械に取り付けます。
このピンを通す穴のことをクレビスといいます。多くの場合は、クレビス自体の損耗を防ぐ為にブッシュが圧入されています。ですが、建設機械などでは、使用用途や取り付けるアタッチメント、オペさんの使い方によってブッシュが割れてしまったり、ブッシュが摩耗、変形したまま使い続けると最悪の場合クレビスごと破断してしまう場合もあります。

上の写真は破断しちゃった写真です。ここまでなる前に楕円修正やブッシュ交換をお勧めしております。(ここまでなってしまうと、クレビス製作や中古在庫品に交換となります)
クレビスのほかに、トラニオンと呼ばれるタイプのシリンダーが下写真の物です。
建設機械ですと、各メーカーの小旋回機のアームシリンダーや小割機にこのタイプが多くみられます。
トラニオンの語源は、砲台だとか。(なるほど中世ヨーロッパの大砲と似てる!)

ほんの一部ですが、ほかにもたくさんいろんな取り付け形状があります。
クレビスが横長だったり(写真は高所作業車、各メーカーグラップル、つかみなどのシリンダーも同形状が多い)球面形状だったり…(アウトリガーシリンダーや、グレーダーのシリンダーなどにみられます)

次にヘッド(キャップ)と呼ばれるパーツです。
油圧シリンダーを分解するためには、このヘッドを外さなければなりません。複数のボルトで締め付けるタイプ(建機の場合は0.45クラス以上はこのタイプが主流)や、ネジタイプの物があります。
大型アタッチメントの場合はネジ直径が200mm以上になり、なかなか他業種では見ることがなさそうな大きさのネジのようになります!(分解もかなりハードな場合があります (@@)

パッキン、シールキットの多くはこの部品に取り付けます。外部への油漏れの原因の多くはこの部品内部のロッドシールの損傷やシール挿入部の溝部分の腐食によることが多いです。
建設機械の場合は、ブームシリンダーが特にシール溝の腐食が多くみられます。(どうしても、停車時など上向きになっている為、ダストシールからの水気の侵入に起因するものと思われます。)

クッション機構について

ついでなので、クッション機構についても説明したいと思います。
油圧シリンダーが伸びきった際に下写真左の部品(クッション)がヘッドの内部に挿入されます。
その際に、作動油の流路が絞られる事で伸びきった際の衝撃を緩和します。(油圧シリンダーは油の流量で速度が決まりますが、ヘッド内部にクッションが入ることで流路が狭くなることでストロークエンドでの動作が遅くなるということです。説明下手ですいません!わかりますでしょうか??)
下写真では、建機のブームシリンダーのクッション部ですが

同様にアームシリンダーにもクッション機構が備わっています。
アームシリンダーの場合、シリンダーが縮みきった際にもクッション機構が機能します。
ピストンロッド先端にクッションがついており、チューブ内部の底部にあるクッションボアに入ることで、同様の働きをします。

つづきまして、ナット、ピストンです。
シリンダーをオーバーホールする際に、ヘッド(キャップ)を緩めたら次に緩めるのがこの部分になります。
衝撃や振動で緩まないように、この部品には必ず緩み止めがついています。
イモネジ(ホーローセット)で鋼球を押し付けて緩み止めするタイプや、ナットにナイロン材質の部分があり、食いつくことで緩み止めになるもの。ほかにもUナットや、キャッスルナット(写真右上、このナットは割ピンでとめる。古い機械に多くみられる)
あと、コマツさんなんかだとロックタイトを指定されている場合があります(塗り忘れでピストンロッド飛び出す事例がたまにあったり…)

イモネジのタイプですと、ほとんどの場合一つだけイモネジが入るのですが、中には2つ入っていたり軸受け部品のウェアリングの下に隠されていたりとひっかけ問題!?みたいな物があったりします・・・(T-T)
もし、自分でオーバーホールされる場合は、緩み止めがどこかに隠されているはず!?と疑ってかかったほうが良いとおもいます!緩み止めを解かずに力を加えてネジを回すと、場合によっては大きなトラブルにつながる事もあります!


と、いう感じで色々と種類や構造があります。簡単にですが解説させていただきました。
もし、自社でオーバーホールする際にわからない事などありましたら、お気軽にお問合せください。
また当社ではシールキットの販売もしております。
ご質問だけでも結構です、お待ちしております。

関連記事