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油圧シリンダー シール・パッキンの互換性について

油圧シリンダー シールキットのパッキンについて考察してみました。

こんにちは。ビーエスパッキン部品課の安川です。
油圧シリンダのシール・パッキンを製造する会社は日本にも何社かありますが、同じ用途や同じ規格の部品でも各社によって徴妙に詳細のサイズ感が違ってきます。
今回は当社のオリジナルパッキンと、純正品として使用されているNOK社 ・KYB社のサイズ感の違いを見てきたいと思います。

部品の刻印について

今回の比較は、油圧シリンダー シールキットの中枢とも言えるロッドシールについて計測していきます。
まず用意したのは0.7クラスの油圧ショベルで一般的に使用される 80 φのロッドシールです。(カタログサイズ -080 95 9)

クリーム色のパッキンはNOK社製で、オレンジ色のパッキンは当社とKYB社製のパッキンです。
ちなみにオレンジ色のパッキンは耐熱仕様のロッドシールです。(最近は 0. 7クラスのロッドシールには、耐熱仕様のシールが標準で使用されることが多くなっています。)

まずシールの刻印についてですが、各社とも内径・外径・厚みの順に刻印されています。自社名が刻印されている事とシールのサイズが刻印されているのは全て同じですが、オレンジ色のKYB社のシールだけが、若干表示の仕方が違っています。
当社とNOK社のシールはパッキンの実寸法が刻印されていますが、KYB社製のシールは、シールの実寸法ではなくパッキンが入る溝の深さが刻印されています。

当社とNOK社の刻印は実際のパッキンの厚みである 9(m/m)という数字が刻印されているのに対し、KYB社のパッキンは実寸の厚みは 9(m/m)と他 2 社と同じなのですが、そのパッキンが入る溝の寸法の10 (m/m)と刻印されています。
しかし 3 種類とも同規格のパッキンです。

部品の実測結果による比較

では次に、パッキンを実測していきます。
1 点計測では誤差が生じるので 4 点計測の平均値で計測した結果が以下になります。

各社のシールとも寸法にバラつきがある為、円周上の4点の平均値で計測しました。微妙に各社のパッキンに数値の差が見受けられます。サイズの違いが見受けられますが3 つとも同じ規格のシールなのでもちろん互換性があります。
というのも、パッキンを組み込む溝にはシールを装着した際にできる公差(クリアランス)が設定されています。その為各社のパッキンの実寸に多少の差があったとしても問題なく使用できると言う訳です。
比べてみると、当社の製品はどちらかというとKYB社純正品に近いパッキンかと思います。
KYB社製のシールを純正品として使用している油圧ショベルのシリンダーは、日立・コベルコ・クボタ・IHI・キャタピラー(320シリーズなど1部機種)ですね。
かなりのシリンダーがKYB社製が純正品となっています。
また使用するシールの役割や耐圧力・耐熱域・作動油耐性が同じであれば、形状が全く違っても互換品として使用できるものもかなり多く存在します。

当社は油圧シリンダーの修理業も行っている為、オーバーホールの際に古いパッキンの状態も全て確認しています。
毎日相当数の修理品が入ってくる為、古いパッキンの確認だけでもかなりの数になります。その分当社としてはデータの蓄積ができ、ノウハウも蓄積されていくことがメリットにもなっています。

また当社はオリジナルのシールを製作・販売しているため、新型機種に増えてきている特殊シールも製作しています。
ここ最近では、クボタ建機さんのU30-6などに使用されているデュアルシールやピストンシールなども新商品として販売しております。

実測してみた結果

今回は各社のシールを比較してみましたが、各社の製作基準の違いから同じ規格の商品でも多少の誤差があるということがわかるとおもいます。
たまにお客様から微妙に寸法が違うとお問合せいただきますが、上記の理由で互換性のある商品だとご理解頂ければと思います。

もし何かわからないことがあれば、いつでもお気軽に部品課までお問い合わせください♪
https://www.bs-pkg.co.jp/contact/

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